『がん治療に?を感じた時に読む本』

2002年発行

以下の文は本書プロローグより抜粋です。

 

「この本は、患者さんたちの忘れ得ぬエピソードを中心に、現代のがん治療の限界や問題点、新しいがん治療法の紹介、二十一世紀の医療における“ホリスティック医学”の重要性などについて述べた、がん患者さんへの“応援歌”です。」
「いま一度、患者さんそれぞれの内にある”力”を見直して、信じて欲しい」
「私のクリニックで取り組んでいる『療養』の目的は、治癒力の活性化、つまり、わが内なる治癒の力を高めることです。『療養』とは、医療者は
<診療>に全力を傾け、患者さんは日々の<養生>に励むことをいいます。日々の養生を積み重ねることによってしか、“内なる治癒の力”を高めることはできないのです。」

私は、病気は医者や薬が"治す"ものでは決してなく、患者自身の力で"治る"ものだと確信しています。つまり、医療者にとって"治せるか、治せないか"はきわめて重大な問題ですが、病気が"治るか、治らないか"は完全に患者さん自身の問題だからです。ですから、主治医から<もう手の施しようがありません>とか<絶対に治りません>、<余命1ヶ月>などと宣告されたとしても、絶望することは全くありません。これらの宣告を正しく表現するとしたら、<私にはもう手の施しようがありません>であり、<西洋医学としては絶対に治せません>であり、<西洋医学的に診て余命1ヶ月>としなければならない筈です。いま、日本の患者さんに欠けているものは、己れのなすべきことは己れで決めるという心構えと、いかに生き、いかに死すかという死生観ではないでしょうか。いかに闘病するかを考えることは、いかに生きるかを考えることに他ならないからです。」

『現代 養生法ガイド』
2000年発行

以下の文は、本書より抜粋です。


「この本にはいろいろな健康法が紹介されています。」
「養生とは、まさに<生(いのち)を養う>ことであり、私たち一人ひとりの生き方、生き様をも含んだ生(いのち)の養い方のことです。」
「私の患者さんの中には、健診で問題なし、検査で異常なしといわれても、毎日、溜め息をつきながら鬱々と過ごしている方がみえます。一方には、たとえ病気であっても、日々を元気に、そしてイキイキと生きておられる方もおられます。私たちの生(いのち)とは、健康だといわれたからOKで、病気だからダメだというほど単純なものではないのです。」
「結局、私たちの健康を守り、病気を治癒に導くのは、私たちの内なる治癒力以外の何ものでもありません。この自己治癒力は、薬や手術で高まるものではなく、一人ひとりの毎日の養生の積み重ねによってしか活性化されないのです。」