漢方薬処方

 免疫力の強化、活性化の一手段として、漢方薬を用います。当クリニックで取り扱う漢方薬は、保険適用の漢方薬です。
 中でも、補中益気湯(ほちゅうえっきとう)が、よく使われています。漢方では、人間の体を上、中、下の3つの部分に分けて考えています。“中”とは、お腹のことを指し、「補中」には、お腹を補う、つまり胃腸を丈夫にするという意味があり、「益気」には、気を益す(ます)、元気を出すという意味があります。院長の臨床研究にて、免疫力の指標となるNK細胞活性を高めたり、T細胞のTh1とTh2の比のバランスを改善させるというデータが得られています。
 他に、免疫力を高める漢方薬に、十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)や人参養栄湯(にんじんようえいとう)といったものもあります。十全大補湯や人参養栄湯は、貧血を改善するはたらきが高く、十全大補湯には、抗がん剤治療や放射線治療の副作用を軽減させる効果があります。十全大補湯は、気(元気)・血(血流)・水(水分代謝)などの滞りを“大きく補正”し、病気を“全快”させる、また、人参養栄湯は、人参を主薬として栄養状態の改善効果を期待できるという意味を持っています。
 漢方薬は、主に自然の草や木からとった数種類の生薬からできています。生薬の煮汁から抽出したエキスを加工して作られたエキスを、当クリニックでは使用しています。エキス剤は、携帯するのに便利で、煎じる手間もなく、長期継続ができるという利点があります。
 これは、単独で用いたり、2~3種類を併用したり、「証(しょう)」と言われるいくつかの症状をみながら薬を選んでいきます。漢方薬には副作用がないと思われがちですが、薬である以上は副作用が出現する場合もありますので、定期的な検査をしながら服用することをおすすめします。


〇服用方法〇

・1日2~3回、水またはお湯で服用する。
・食事の約30分前の「食前」または食後2~3時間後の「食間」

 に服用する(胃の中が空の時に服用すると吸収がよいため)。
 場合によっては、食後でも構いません。


※ 漢方薬に関しての質問やご相談は、診察時にお申し出ください。